アビコ青年のディベート事件簿 File20
ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file20
本日のテーマは「話し上手は、聴き上手」です。
第18回コラムでもご紹介した、MBS毎日放送の「情熱大陸」プロデューサー・福岡元啓さんは、その活躍ぶりから取材を受ける機会が増えています。
- 作者: 福岡元啓
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最初はラジオ番組のディレクターとして、社会人生活をスタートさせた福岡さん。出演者とのやり取りから、コミュニケーションにおける心理的な側面を学んだそうです。具体的には、「話の聴き方が、いかに話し手の心理に影響を与えるのか」ということです。
「自分が収録スタートの合図を出して、ブースの中で出演者が喋っている時に『うん、うん』って頷きながら話を聞くこと。話が面白かったら、ガラスで隔てられたブースにいる出演者にも、笑っていることが分かるように手を叩いて笑うこと…これだけで、喋っている出演者は気持ちが乗って、さらにパフォーマンスが上がるんですよね。」
私もラジオ番組は好きで、学生の頃からよく聴いています。番組ディレクターや放送作家が、パーソナリティの冗談にオーバーリアクションで応えている「声」や「身振り手振り」(手を叩く音等)が、明らかにパーソナリティを盛り上げているのがよく伝わってきました。ラジオの音を聴くだけで、放送局のブースの雰囲気が明るくなっているのが目に浮かぶものです。(ラジオ好きな方なら、「コサキン」や「深夜の馬鹿力」と聞けば、「ああ、あのことか…」と合点がいく方も多いかと思います)
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「話し方にもっと自信がつく100の法則」(太田龍樹著・中経出版)には、法則52「話し方が一流の人は、聞き方も一流」と紹介されています。人間心理として、人は話をしたい(自分の話を聞いてもらいたい)という性質があるからです。そのため、自分の話をきちんと聞いてくれる相手に対して、人は自然と好意を持つものです。
- 作者: 太田龍樹
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小説家の吉川英治さんは、「上手なあいづちは、人の心の真実を汲みだす誘い水である」と指摘されています。つまり、相手の話を意識的に聴いている姿勢を、きちんと相手にも分かるように伝えることは効果的です。
例えば、姿勢・視線・あいづち等々、ビジュアルにまつわるものは大切です。もちろん、表面的に繕うだけでは心が入りませんから、相手のお話をまとめる、疑問点があれば質問することが肝心なのは言うまでもありません。
数々の著名人を前にして、その心の中を克明に描き出す番組、情熱大陸。相手が心を開かなければ、決して番組は成立しません。福岡さんは「カメラが回っていない時も含めて取材です。その時は、取材対象とディレクターが心の距離を縮めるための時間なんです」と話しています。一方的に聴きたいことを聴いても、いきなり核心に迫ることは話してくれません。だからこそ、しっかり話を聴いて、人間関係を深めていく必要があるのです。
話の「聴き方」も重点的にトレーニングできるネオ・ディベート。「使えるディベートセミナー」では、実践トレーニングを通じて「良い聴き方」と「悪い聴き方」双方を体感することで、机上の空論に終わらせない本物の傾聴力を習得できます。現在、第12期生が模擬ディベートに向けて奮戦中です。相手の主張をきちんと聴ける(受ける)からこそ、的確な反論も繰り出せる。日常では経験できない空間だからこそ、集中して学べるものがあります。第13期の詳細は、弊社ホームページをご参照下さい。
以上、アビコレポートでした。