井上晋の『賛否両論のための基礎知識』第12回
ほぼ月イチコラム
時事問題がわかる BURNING MIND主席講師・井上晋の『賛否両論のための基礎知識』 第12回
私の家に子供が生まれてから、素晴らしいタイミングでベネッセコーポレーションからダイレクトメールが届きます。
離乳食を始めるタイミング、
言葉遊びをするタイミング、
おむつを取りたいタイミング、
幼稚園入園の前、
などなど、、
本当に痒いところに手が届くタイミングで、教材紹介のダイレクトメールが届きます。
その内容も嫌味なものではなく、思わず読み込んでしまうものが多かったと記憶しています。本当にすごい企業だと思っていました。
もちろん、その営業力の源泉は、膨大な個人情報の活用なのですが、その個人情報が2300万件以上も流出するという事件が起きました。
今回のテーマは、
「個人情報保護法を見直すべし」に切り込んでみたいと思います。
個人情報保護法の逐条解説 第4版-- 個人情報保護法・行政機関個人情報保護法・独立行政法人等個人情報保護法
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いかにシステムを堅牢にしても、人間が関与する限り完全なコントロールはできないということでしょう。
法律の改正では、罰則規定の強化や個人情報を扱う事業主の責任強化、売買の規制などが取り上げられそうです。
この見直しのメリットは、
我々のプライバシーが守られるということです。
情報化が進むなかで個人情報の流出は、単に知られたくないという精神的な権利が侵されるというだけでなく物理的な危険にされされることに繋がります。
自分の知らないところで自分のことを知っている人がいる、というだけでも気持ち悪いものですが、その人が自分の住居や財産を特定できる、また悪用できる時代になっています。
総務省のHPでも以下のように警告しています。
「たとえば、住所や電話番号が公開されていれば、そのホームページを見た人があなたに興味を持って、自宅の周りをうろついたり、電話をかけてきたりといったストーカー行為を行うかもしれません。また、公開している個人情報を収集され、迷惑メールや振り込め詐欺などの別の犯罪に利用される可能性もあります。」
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/enduser/attention/02.html
企業からもれた個人情報は、身の危険にもつながるものになります。
この危険を減らせるというメリットは大きなものでしょう。
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効率的な経済活動に支障が出るということでしょうか。
リストを利用して効率よく営業活動を行う。
個人情報とビックデータを組み合わせて、新たな市場を作り出す。
などなど、情報の活用が経済に与える効果は小さくありません。
しかしながら、前述した情報化社会における個人情報がもたらすリスクのほうがやはり大きいように思います。
情報を提供したり活用できることは様々な利便性を生みます。
現在ある程度の個人情報を出さなければ、ネットショッピングさえできません。
しかし、一方で大きなリスクを抱えているということを消費者の立場として認識していないと危険な時代になったということです。
みなさんはどのように考えますか。