アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 28
ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 28
本日のテーマは「自分の長所をベースに積み上げる」です。
自分の意見をはっきり言えるアメリカ人。
それに比べて、どこか控えめな日本人。
そんな漠然としたイメージが私にはありましたが、その印象をくつがえす本がアメリカでミリオンセラーになりました。原題「Quiet(静けさ)」、邦題は「内向型人間の時代」(講談社)です。著者のスーザン・ケイン氏は内向型の性格で、外向型を賞賛するアメリカ社会に疲れて弁護士からライターに転身した方です。
内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える (講談社+α文庫)
- 作者: スーザン・ケイン,古草秀子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (3件) を見る
内向型の定義は、思慮深くて理性的、真面目で謙虚、孤独を求める「熟考の人」。
対して外向型は、明るく社交的で目立ちたがり屋の「行動の人」と定義します。
外向型は明るくて人付き合いもいいから、それが優れた特性であることは言うまでもありません。
一方、内向型はどこか快活さが足りない印象のせいか、どちらかといえばマイナスイメージもあります。
ですが、内向型は外向型にはない優れた面があると指摘します。修士号や博士号を取得する人数は内向型の方が多い。
それはIQの問題ではなく、課題に対する取り組み方の違いにあります。
つまり、物事を注意深く考え、行動する前に熟慮し、簡単には諦めず、より正確に作業を進める特性が強みです。そう考えれば、内向型も日常で大きな武器になるのです。
例えば、人間関係に悩みを抱えることは誰にでもあります。そんな時、内向型の人は「もっと明るくならなくては…」と、今ある自分を否定してしまいがちです。もちろん、明るさは大切ですが、内向型の良さにも目を向ける必要があります。内向型は話し好きではなくても、そのぶん相手の話を「じっくり聴く」ことに長けている場合もあるのです。
コミュニケーションでは「話し方」も大切ですが、同時に「聴き方」も大切です。人は自分の話を聞いてもらえる相手に好感を持ちます。なぜなら、自分に関心を持ってくれていると感じられるからです。(「話し方にもっと自信がつく100の法則」(太田龍樹著 中経出版)法則52参照)
- 作者: 太田龍樹
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2010/02/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (199件) を見る
じっくり人の話を聴ける人が、今よりもっと感情豊かに相手の話を聴けたら最強です。あいづちを入れながら、楽しさや真剣さを表情でも伝える。もっと詳しく教えて欲しい気持ちを、質問をして伝える。大切だと思ったらメモを取る。そんな小さな積み重ねをじっくり話を聴ける人が実践したら、コミュニケーションは間違いなく改善しているはずです。
トリックアートと似ていて、物事は角度によって見え方が変わります。内向型にも外向型にも、長所と短所があります。だからこそ、お互いの長所を認めた上で、新たな要素を身につけていけばいいのです。
今年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」。劇中に登場する吉田松陰は「人の長所を見つける達人」だったそうです。人の長所を見つけられる人は好かれます。実際に、松陰の周りにはたくさんの若者が集いました。
- 作者: NHK出版,小松江里子,NHKドラマ制作班
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/09/30
- メディア: ムック
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 太田龍樹
- 出版社/メーカー: 成美堂出版
- 発売日: 2010/07/10
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (146件) を見る
以上、アビコレポートでした。
(2015/01/15)