アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 File6

ほぼ月イチコラム 茨城LOVE
アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file6

本日のテーマは、「型を身につける!」です。

昨年は、阿川佐和子さんの著書「聞く力」に続き、今、新たな書籍が注目されています。

コピーライターの佐々木圭一氏著「伝え方が9割」。早くも30万部越えのベストセラーだそうです。
伝え方が9割 【「伝え方が9割 2」試読版付き】

伝え方が9割 【「伝え方が9割 2」試読版付き】

この本では、コミュニケーションが苦手な人でも話し上手になれる、その秘訣を実に分かりやすい「型」で類型化しています。

毎日、誰でも何かしらのコミュニケーションをしているからこそ、気づかないうちに話し方には「癖」があります。
もちろん自分では癖や習慣になかなか気づけませんから、無意識のうちに負の習慣のループにはまってしまいます。それでは、今の自分を変えられないのも仕方ありません。

では、どうするか?
その一つの答えが、「型を身につける」ということです。

型を意識するとは、言い換えれば「自分の癖を排除すること」。ちょうど習字でお手本を見ながら、きれいな字を身につける過程に似ています。

しかも、著者が提唱する数々の型の根底に流れる視点が興味深い。なぜなら、「相手の立場を意識した上での」型だからです。

コミュニケーション関係の書籍は、ともすると「相手をいかに丸め込むか?」にスポットを当てた本が多い印象を受けます。でも、人は自分を丸め込もうとしている相手に、果たして心を開いてくれるのか疑問です。私ならきっと警戒心を抱きます。
もちろん、その道のプロなら可能でしょうけど、コミュニケーションに苦手意識のある人に「マネをしろ!」と言うのも酷ではないでしょうか。
その意味で、この本は全く逆の視点から書かれています。

著者の佐々木さんは、雑誌のインタビューで答えています。「口先だけでうまくやってやろうとするのではなく、相手の心の中を想像した上で伝え方を変えると、相手も自分もハッピーになれる。その結果、自分の思った方向に行くし、相手も納得してくれる。」「本のコンセプトとしては、“伝える技術”というよりも“相手を想像する技術”といったほうがより正確かもしれません。」

これはちょうど、以前ご紹介した「キャスト・ライトアップ」の発想に通じます。自分の言いたいことをそのまま言うのではなく、相手の立場を考えた上で「言葉を選ぶ」。その心遣いが、相手の心を動かしてくれます。

例えば、著者は「ノー」を「イエス」に変える技術の型を紹介しています。
その本質は、「自分のお願いを実現させる答えは、自分の中にはない。相手の中にある。」というもの。

「好きな女性に『デートしてください』と言っても、女性は興味がない人とはデートなんてしたくありません。でも、事前に“初めてのものが好き”“イタリアンが好き”という情報を掴んでおけば、こんな言い方に変えられます。

「デートしてください」
     ↓
「驚くほど旨いパスタ、どう?」

つまり、相手のメリットと一致するお願いを作ります。他にも、

「芝生に入らないで!」
    ↓
「芝生に入ると、農薬の臭いがつきます」

これも、相手にとって嫌だな〜と感じることを理解した上での発想です。」

キャスト・ライトアップの視点から見れば、「デートしてください」も「芝生に入らないで」も、全部「自分目線」での言葉です。相手は命令されているように感じるかもしれません。

一方で、「驚くほど旨いパスタ、どう?」「農薬の臭いがつきます」は、ともに「相手」の立場に立った言葉です。誰だって、自分を尊重してくれる人の言葉には重みを感じますし、決して命令されているように感じません。結果として、相手も納得してくれるケースが格段に増えます。

ディベートでも、常日頃から「型を身につけること」を徹底して学べます。
ネオ・ディベートセミナーでも、日常会話の型のエッセンスが満載です。
「型」「型」「型」、まずは型ありき。
私もここをマスターした先に、ようやく自分の「個」を出せるのだと信じています。
書道の達人が、書の型をマスターした上で、その個性を遺憾なく発揮しているように。

気持ちを新たに、私もまずは「型」を学ぼうと思います!
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

以上、茨城からアビコがお伝えいたしました。

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